

マレーシアの治安 | 危険ランク |
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総合危険度 | ![]() |
殺人・強盗 | ![]() |
スリ・詐欺 | ![]() |
クアラルンプール | ![]() |
コタキナバル | ![]() |
中所得国のマレーシアはASEAN諸国の中では所得が高い方です。アジアの旅行者にとっては、マレーシア発のLCC(格安航空会社)「エアアジア」が空の旅をリーズナブルな価格で販売するようになって以降、首都クアラルンプールを中継地として利用する機会が増えています。
さらに実は、マレーシアがリタイヤ後の日本人の移住先としてもタイより人気が高いということはあまり知られていないかもしれません。英語が公用語のひとつであることや、古くはルックイースト政策で知られるように親日的な気風も魅力のひとつです。
治安の面では、国内に武装勢力はないものの、2016年6月末にクアラルンプール近郊のセランゴール州で爆発テロが起きてしまいました。また、フィリピンに近いサバ州東部ではフィリピンの反政府勢力が出没し、2013年に武装集団との衝突があったり、たびたび身代金目的の誘拐事件も発生しています。日本の外務省もサバ州東部へは渡航中止を勧告しています。

- 観光地の治安について
- 両替について
- 大気汚染・ヘイズの問題について
- ヘイズに関する事例
- トラブルを避けるためにイスラム教のタブーを知っておくこと
- テロ・IS関連について
観光地の治安について
国内では、比較的人口の多いクアラルンプールやジョホールバルが治安が悪いと言われています。マラッカ、ボルネオ島のコタキナバル等は落ち着いています。リゾートで知られるペナンやランカウイも同様です。
治安が悪いといえば、陸路でタイ側の国境を越えた先はタイの反政府勢力がいる深南部です。タイ深南部3県では度々事件が起きていますので、通過はともかく滞在はお勧めできません。
両替について
日本でも両替できますが、現地の両替屋が一番レートが良いです。また、米ドルから両替する場合は、紙幣の額が「50または100ドル札」か「10または20ドル札」でレートが変わります。細かい方が悪く、5%近く差が出てしまいます。
大気汚染・ヘイズの問題について
ヘイズとは、スマトラ島からの焼き畑による煙害で、毎年5-10月頃の乾期に発生します。
花粉症に似た症状を引き起こしたり、咳が出たりしますので、体質的に弱い人は時期を考えた方がよいです。マレーシアも、シンガポールやブルネイ同様、このヘイズに悩まされており、毎年、当局が観測情報を発信しています。
ヘイズに関する事例
2015年のクアラルンプール国際マラソンがヘイズのために中止になった。
ヘイズの影響は深刻で、航空機の欠航や、学校が休校になることもなるほどの大気汚染問題です。実は、このマラソンは2013年にもヘイズのため日程変更を余儀なくされています。
トラブルを避けるためにイスラム教のタブーを知っておくこと
マレーシアの国教であるイスラム教は、比較的厳しいスンニ派です。ただし、多民族国家であるマレーシアでは非イスラム教徒もたくさんおり、豚肉を食べたり飲酒をすることも認められています。同様に、外国からの旅行者もイスラム教徒と同じように生活する必要は基本的にありませんが、いくつか気をつけるべきマナーがあります。
豚肉関連に注意
イスラム教徒に豚肉に触れさせたりすることのないように、スーパー等では売り場も買い物カゴも分けられています。豚肉を使用することのある「ノン・ハラル」とは決して混ぜてはいけません。
左手はあまり使わない
左手で握手をしたり、物を渡してはいけません。インド等と同様に、左手は「不浄の手」とされているからです。
頭を撫でてはいけない
これもインドの方からの影響です。マレーシアの他、タイ、カンボジア、インドネシア等でも同様です。
人差し指で人を指さない
人差し指ではなく親指を使います。
肌の露出を控えめに
日本人で過度な露出をする人はそう多くありませんので、基本的には問題になりません。
半袖やサンダルも大丈夫です。
テロ・IS関連について
イスラム教国家であり、かつタイやインドネシアと陸路で国境を接しているマレーシアはIS関連の人の出入りも比較的多いと言われています。2016年初頭にインドネシアのジャカルタで爆発テロが起きて以降、当局は警戒を強めていましたが、それでも6月には冒頭で紹介したテロを妨げることができませんでした。また、2014年のマレーシア航空失踪事件については機体すら見つかっておらず謎だらけですが、ハイジャックも疑われています。
